このページは2008年に作成、更新は毎年のテーマのみでしたが、2021年にリンク切れのまま放置していたICOM旧サイト「Suggested activities to celebrate this event」[推奨活動事例集]を Wayback Machine から探し出し、リンクしました。事例集は、おそらく2002年の作成で教科書的な内容です。抄訳は本ページ下の「どんな活動が奨励されているのか」。
5月18日は、北海道では花見(連休前後)とよさこいソーラン祭り(6月第2日曜日に向かう水–日)の間にあって、「休日は近くの博物館にでも行ってみよう」という気分になる日です。愛鳥週間(5月10–16日)の直後でもあり、全国的には野外活動や運動の時期でもあり、初夏の文化の日という位置付けになるでしょう。
昨年2023年のテーマは「Museums, Sustainability and Well-being 博物館と持続可能性, ウェルビーイング」でした。
今年の記念事業については、全国の博物館からの報告が上記の日本博物館協会のページに集約されています。エクセル台帳のダウンロードもできるようです。この項目の以下の部分は2008年当時の記述です。
この日は無料入館のところが多いようです。北海道を中心に各地の館園の記念行事を見て観ましょう。日本博物館協会が把握紹介するものの多くは国立や県立館ですが、小規模館や地元博物館の情報にも注目です。ページを作成した2008年には記念行事が数多く見られたのですが、コロナの影響もあり今年は少なくなっています。過去の行事は Wayback Machine のアーカイブにリンクしたものもあります。
・北海道新聞オホーツク面の連載エッセイ「ときわぎ」に書きました。
紙面コピーはこちら。
・このページは、九州大学USIミュージアム研究会発行『「国際博物館の日」新聞』(2008)に寄稿した「国際博物館の日を盛り上げよう!」という記事をもとに作成しました。
・斜里町立知床博物館
無料開館、展示解説、映画上映会(2012年の記念行事)
同館は今年開館30周年。「斜里町開基百年記念映画・遙かなる道」が上映されます。
・北海道立北方民族博物館
バックヤードツアー+クイズ(リンクは昨年2022年の行事案内)
収蔵庫見学とクイズ。全問正解者にはプレゼントも用意。実施は5月17日です。
・北海道大学総合博物館
博物館探検(バックヤードツアー)(2008年の記念行事)
世界的に貴重な資料を有する博物館。標本庫に加え分析・作業室にも足を踏み入れる。定員15名。(リンク切れ)
・札幌市博物館活動センター
出前展示「サッポロカイギュウ出現!」プレオープン(カレンダーのみ)
この日に合わせ午前中は模型の組み立てを特別公開。会場はSapporo55ビル1階インナーガーデン(紀伊国屋書店札幌本店入口)
・大阪歴史博物館
記念シンポジウム(2008年のページ)
全国の自然史博物館が目標にしている大阪自然史博物館も協力。大阪府の博物館・文化施設は橋下知事で大揺れのなか、大阪市はどうなるのか?という観点で興味深いところです。
・神奈川県立歴史博物館
重要文化財特別公開(今年の案内で国際博物館の日に関する行事は無し。最新の行事案内は上書き保存のよう)
旧横浜正金銀行本店本館の非公開部分の一部を学芸員が案内。実施は5月4日です。
・萩博物館
バックヤードツアー(2009年の案内)
吉田松陰没後150年記念企画展ギャラリートークとオリジナルグッズのプレゼントなど。
・九州大学チルドレンズ・ミュージアム研究会
「国際博物館の日」新聞の発行(2008–2009年)(リンク切れ)
マリンワールド海の中道と九州大学総合研究博物館で配布。その後はNPO法人ミュージアム研究会のサイトで掲載していましたが、NPO法人のサイトごと削除された模様。
活動例の公式サイトはこちら "Suggested activities to celebrate this event"(Wayback Machine の保存ページ、ICOMサイトでは削除ずみ)
市民・一般に向けての行事のほか、博物館や専門職員での交流、国や都道府県、市町村など博物館の設置者や運営者に向けたアピールも事例に載っており、いわゆる記念行事以上の広がりが描かれています。以下、その紹介です。
○宣伝と伝達 Promotion and communication
・ポスター、ステッカー、しおり、はがき、バッチ lapel pins、スタンプ、リーフレット、文書の無料配布
・報道機関との連携 Media campaign
○博物館で In the museum itself
国際博物館の日を長期間の国内プログラム(博物館週間や現在進行中のもの)に統合し、その中日や中心行事にする
・来館者へ Visits 開始儀式、展示解説、裏方訪問、来館の歓待 Welcome of publics 景品、無料解説、終日・夜間・延長開館
・文化行事 Programme of cultural events 講演会、音楽会・舞台、演芸、映画
・一般向け行事 Programming aimed at adults 専門家質問会、応答展示、クイズ、遺産の保護制度情報、博物館経営情報
・青少年向けの教育活動 Educational activities, initiatives aimed at the young 教材フォルダ、仮想学級、ワークショップ(ゲーム・競技、ド
レスアップ仮装?、案内人付きツアー)、情動と知的体験を博物館から得て興味が増進すること、(里親方式 tree adoption scheme、学校が博物館や記念碑と縁組みする)、役割体験とお宝探し、子ども向けツアーの開発(キャラクターツアー、ツアー冊子)、遺産専門家による子ども展示や保全の手助け
○より広くを目指した館外活動 Reaching out to a wider public
・パネル展示、移動展示
・学校での教諭・学芸員会合
・博物館や遺産関係者に関したプレゼンテーション
・インターネットワークショップとツアー
・博物館相互あるいは国内委員会を通した会合
・外国人によるさまざま会合
・地域、国内、世界規模での先導の強化
・国内あるいは国際的な互助計画
・展示の交換
・学際あるいは複合的プロジェクトの推進
・博物館資産の把握とその経営(一覧表、保安手続き)
・ICOM博物館倫理の職員への徹底、配布
・大学や若手専門家への活動
・遺産保護官の大学・学校訪問と先導強化、博物館への招待
・広報 雑誌・ニュースレターの特別号、特集記事/
国際博物館の日にあわせ、国内あるいは国際協力により、遺産と博物館への関心を増進させ、政府に博物館や国内遺産と文化に関する国際法や国際会議を提案、採択、説明させ、完成を促し、国内法制化する。
○現行法の修正と新た法制度の必要性への関心向上策
・国際博物館の日に法案を通過させる
・文化遺産法制の提案
・運動と修正の提案
・マニフェストの署名
・ICOM博物館倫理を文化協会や上部団体、意志決定団体、議員に普及させること
・構想上部団体に遺産評価の国際協定が必要であると意識させること
過去のテーマは下のとおりです。国際博物館会議ICOMのページ「IMD - International Museum Day -International Museum Day」で遡れるのは2016年までです。
2023
Museums, Sustainability and Well-being
博物館と持続可能性, ウェルビーイング
2022
The Future of Museums – Recover and Reimagine
博物館の未来:再生と新たな発想
2021
The Future of Museums – Recover and Reimagine
博物館の未来:再生と新たな発想
2020
Museums for Equality: Diversity and Inclusion 2020
平等を実現する場としての博物館:多様性と包括性
2019
Museums as Cultural Hubs :the Future of Tradition
文化をつなぐミュージアム―伝統を未来へ―
この年は日本で初めて、アジアで3回目となる国際博物館会議の総会ICOM京都大会が開催されました。「Cultural Hubs」は開催国であるICOM日本委員会からの提案でした。
2018
Hyperconnected museums : New approaches, new publics
新次元の博物館のつながり-新たなアプローチ、新たな出会い-
2017
Museums and Contested Histories : Saying the Unspeakable in Museums
歴史と向き合う博物館 ―博物館が語るものは
2016
Museums and cultural landscapes
文化的景観と博物館
2015
Museums for a sustainable society
持続する社会と博物館
2014
Museum collections make connections
コレクションは世界をつなぐ
2013
Museums (Memory+Creativity) = Social Change
博物館(記憶と創造)は未来をつくる
2012
Museums in a changing world. New challenges, new inspirations
変容する世界と博物館~新しい朝鮮、新しい発想~
2011
"Museums and Memory"
思い出・記憶と博物館
2010
"Museums for social harmony"
社会の調和に博物館
2009
"Museums and Tourism"
観光と博物館
2008
"Museums as agents of social change and development"
博物館は変化と発展へのエージェント
2007
"Museums and Universal Heritage"
人類共通の遺産と博物館
2006
"Museums and young people"
青少年と博物館
2005
"Museums bridging cultures"
文化をつなぐ博物館
2004
"Museums and Intangible Heritage"
無形遺産と博物館
2003
"Museums and Friends"
博物館と友の会?
2002
"Museums and Globalisation"
グローバリゼーションと博物館
2001
"Museums: building community"
地域をつくる博物館
2000
"Museums for Peace and Harmony in Society"
平和と調和のための博物館
1999
"Pleasures of discovery"
発見の楽しみ
1998-1997
"The fight against illicit traffic of cultural property"
文化財の違法取引との戦い
1996
"Collecting today for tomorrow"
明日に向けた収集
1995
"Response and responsibility"
責任と返答
1994
"Behind the Scenes in Museums"
展示の向こうに
1993
"Museums and Indigenous Peoples"
先住民と博物館
1992
"Museums and Environment"
環境と博物館