オホーツク地方の4月はまだ肌寒く、黄金週間の頃でも天気が荒れることがある。本格的に春を迎えるのは五月後半のこと。その頃、五月十八日は、「国際博物館の日」という記念日になっている。ほとんどなじみのない名前だが、すでに三十年の歴史がある。
国内では一部の館で、無料入館や地味な行事が行われるだけだが、海外では欧米だけでなく、韓国や中国、シンガポールなどのアジア諸国でもいろいろと催しがあり、ずっと盛り上がっているようだ。昨年のこの日、中国からのBSトップニュースは国際博物館の日の記念行事だった。この国では好調な経済が牽引して、県立博物館十個分くらいの巨大な展示室が計画されたり、韓国でも展示会社がすごく成長しているそうだ。日本は欧米に学び、アジアとしては古くから博物館を整備してきたが、近年は近隣諸国の伸びがめざましく、追い越されるのは時間の問題かも知れない。
とかく博物館は縁遠い感じがして、お勉強のにおいがするが、美術館も水族館も動物園もおなじ仲間。国際的には国立公園や歴史的記念物も一緒に考えられている。いろいろな人が参加できる仕掛けがあれば、楽しいその日が迎えられるのではないか。
たった一日の記念日というのは、短いようだががクリスマスやバレンタインデーもおなじこと。むしろ楽しみはその日に向けた盛り上がり方にある。よさこいソーラン祭りは、年1回数日のことだが、愛好家があちこちで踊りを披露してくれるので、年中その存在を感じ取る。
博物館もこうありたいものだ。