自然資源経営学科は、東京農業大学において、「経営学士」の学位を授与している唯一の学科というユニークな特徴をもつ。本学科では、人類の生存にきわめて重要な生物産業と自然環境が調和した持続可能な循環型社会を構築するために、経営学を中心とした社会科学の理論的かつ実践的な教育と研究を通して、広く社会に貢献できる人材を養成している。
具体的に本学科は、2分野・4つの研究室体制のもとで、持続可能なビジネスの創出と地域経済の活性化を目指している。まず、1つめの分野として、人間を含む生きものと自然環境との共生に配慮したビジネスを通じて地域活性化を試みる「ネイチャーマネジメント分野」がある。同分野には、環境情報を活用して持続可能な社会の構築を探究する「環境情報研究室」と、農林水産業と観光の連携を学ぶ「地域観光研究室」がある。2つめの分野として、地域資源を活用した商品開発や事業化を通じたビジネス創造により地域産業の発展を研究する「地域マネジメント分野」がある。この分野には、異業種・地域連携を通じて地域企業の発展に寄与する「企業経営研究室」と、農林水産業における持続的な経営展開の方策を考える「農業創生研究室」がある。
本学科の教育における大きな魅力は、少人数のゼミナールとフィールドでのアクティブ・ラーニングを通じて、五感で大自然を感じながら、問題解決能力を高めることで、実践スキルを身につけるという点にある。以上を通じて、本学科は生物産業および関連企業の経営をはじめ、金融業や観光業、さらには協同組合や行政体など、多様な舞台で活躍する人材を輩出している。