北海道新聞オホーツク面「ときわぎ」平成16年(2004)6月23日

自転車の季節

6月の北海道は空気も澄んで日は高く,とても清々しい季節になる.気になる道路端の砂や小砂利もなくなって,だれしも自転車で出掛けたくなるだろう.

以前,役場に勤めていた頃,7月になれば「オホーツクサイクリング」の裏方仕事がまわってきた.自衛隊のジープに乗って参加者を伴走するのだが,いつかは自分で走ってみようと思っていた.なかでも常呂と網走を結ぶ自転車道路を疾走する姿はうらやましかった.

たいしたことではないのだが,この間ようやく実際に走ってきた.実感したのは,鉄道のカーブや勾配が自転車に程良く気持ちよく走れることだ.そして両側の林が木陰と風よけになり快適な空間を演出していることだった.景色もどこか涼しげで,熱気のむせる国道とは別世界のようだった.

こどもの頃はみんな自転車に乗っていた.けれど,おとなになるといつしかペダルから遠ざかる.久しぶりに見つけた雑誌には知らないメーカーが幅を利かせ,ハイテク自転車がならんでいた.今や後輪ギヤは十枚に及び,電子制御サスペンションやオートマチックシステムまで登場している.元こどもは新鮮な驚きでいっぱいだ.

おとなの自分に戻ると,別の想像が沸いてくる.卯原内のSLまでなら車も来ないし親子で走るのに調度良いコースになる,それには三列シートの車が必要か等々.まだ幼い息子たちは自転車に乗れないのだが.


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