成果報告シンポジウムのお知らせ
2025年10月24日暫定版
東京農業大学
公益財団法人発酵研究所寄付研究部門 酵母多様性生物学・分類学研究室
成果報告シンポジウム「ゲノムと表現型の多様性から紐解く真菌の生き様」
酵母は、パン、酒などの発酵食品等、我々の生活に密接に結びついた微生物であり、一方、モデル生物として基礎生物学の重要な研究材料でもあります。公益財団法人発酵研究所の寄付講座助成により2020年10月に東京農業大学総合研究所に設置された酵母多様性生物学・分類学研究室では、分類学を基軸とし、ゲノム情報や細胞生物学・分子生物学的手法を用いて、課題「全ゲノム塩基配列に基づく酵母の高次分類体系の再構築および発酵・醸造に重要な酵母のタイピングに応用できる高解像度の実用的同定識別システムの確立と応用」の研究に取り組んでまいりました。
このたび、プロジェクトの最終年度にあたり、5年間の研究成果のご報告をするとともに、酵母を含む真菌を用いて基礎から応用分野を牽引する先生方をお招きし、真菌類の生理や環境適応などに関する最新の研究動向について探究する成果報告シンポジウムを開催することとなりました。各分野における先駆的研究の知見と、これまで我々が多様性獲得機構の解明のために積み重ねてきたゲノムや表現型の解析によって見出した各種データから、真菌における酵母の生きざまを紐解きたいと考えます。シンポジウム終了後には情報交換会もおこないます。本シンポジウムが、酵母、ひいては真菌の多様な特性や自然界でのあり方をともに考察し、その多様性研究における現在地について共有できる学術的研鑽と研究交流の場となりましたら幸いです。
日時:2025年12月18日(木)12:30~17:05
場所:東京農業大学国際センター2F榎本ホール
情報交換会:東京農業大学サイエンスポート8Fエアーブリッジ17:30~19:30
無料公開
共催: 東京農業大学 総合研究所
後援: 東京農業大学 総合研究所研究会 応用微生物部会
東京農業大学 微生物リソースセンター
問い合わせ先: 高島昌子(mt207623@nodai.ac.jp)
[プログラム] <敬称略>
12:30-12:40
開会式
開会挨拶 大西 章博 東京農業大学 応用生物科学部(総合研究所 副所長)
来賓挨拶 原島 俊 公益財団法人発酵研究所 理事長
12:40-12:45
シンポジウム趣旨説明―本日の概要・目的等について
高島 昌子(東京農業大学 酵母多様性生物学・分類学研究室)
12:45-13:10 セッション1<テーマ:真菌類の中の酵母>
座長 高島 昌子(東京農業大学 酵母多様性生物学・分類学研究室)
細矢 剛(国立科学博物館 植物研究部)
「菌類の中の酵母の位置」
13:10-14:35 セッション2<テーマ:ゲノムから理解する菌類の多様性と生き様>
座長 徳岡 昌文(東京農業大学 応用生物科学部)
13:10-13:35 瀬戸 健介(横浜国立大学 総合学術高等研究院)
「シングルセルゲノム解析が解き明かす真菌類の新規系統群」
13:35-14:00 坂本 裕一(岩手生物工学研究センター 生物資源研究部)
「担子菌類において生殖成長への切替えを司る分子スイッチの探索」
14:00-14:35 小林 裕樹(東京農業大学 酵母多様性生物学・分類学研究室)
「全ゲノム情報から非モデル酵母の系統進化と分子進化を探る」
14:35-14:50 休憩
14:50-16:15 セッション3<テーマ:形態や性状の詳細な観察から明らかになる酵母の多様な生き様>
座長 中山 俊一(東京農業大学 応用生物科学部)
14:50-15:15 清家 泰介(九州工業大学大学院 情報工学研究院)
「フィールド調査に基づく野生酵母の潜在能力の探索」
15:15-15:40 福田 良一(東京大学大学院 農学生命科学研究科)
「二形性酵母Yarrowia lipolyticaの生きざま」
15:40-16:15 青木 敬太(東京農業大学 酵母多様性生物学・分類学研究室)
「担子菌酵母に特徴的な細胞増殖戦略の探索」
16:15-16:30 休憩
16:30-17:00 セッション4<寄付講座成果報告>
座長 田中 尚人(東京農業大学 生命科学部)
高島 昌子(東京農業大学 酵母多様性生物学・分類学研究室)
「酵母の分類 5年間の成果」
17:00-17:05
閉会挨拶 田中 尚人(東京農業大学 生命科学部)
写真撮影
17:30-19:30 情報交換会