トリプシン(trypsin)の構造をみる前に
プロテアーゼ とは
タンパク質を分解する酵素の総称。活性発現に必要な残基(触媒残基)で以下の種類に分けられている。
分類 | 触媒残基 | 例 |
セリンプロテアーゼ | セリン | トリプシンなど |
システインプロテアーゼ | システイン | パパインなど |
アスパラギン酸プロテアーゼ | アスパラギン酸 | レニンやHIVプロテアーゼなど |
メタロプロテアーゼ | 金属。ヒスチジンが金属をキレート | コラゲナーゼなど |
その他 | スレオニン | プロテアソーム |
トリプシン
脊椎動物の膵臓由来のタンパク質加水分解酵素。不活性な前駆体であるトリプシノーゲンとして消化管に分泌され、自己分解により活性化される。ペプチド結合しているアミノ酸の中で、アルギニン、リジンのC末端側を特異的に加水分解する。
これから見るトリプシンの立体構造は豆由来のタンパク質を阻害剤とした複合体である。次の手順に従って、構造を観察しよう。
- 構造ファイルをダウンロードする。
- Raswinを起動し構造ファイルを開く。(Fileメニューからopenを選択)
- デスクトップ画面の下辺にあるメニューバーからCommand Line windowをクリック。
- Command line windowに次のように入力していく。各行の最後にEnterキーを押す。各コマンドの入力により何が起こっているか分子モデルを観察すること。
>select amino
>wireframe off
>backbone 60
(数字の40は線の太さを示すので自分の好みで変えてよい。またbackbone 60の代わりに>cartoonでもよい。好みに応じて。)
>color chain
>select 57a, 102a, 195a
>color cyan
>wireframe 60
>dots 200 (数字はドットの数を表す、自分の好みで)
>dots off
(ドットがじゃまな人はこのコマンドで消しておく。)
>select dna
>wireframe 60 (あるいはspacefillでも)
この段階で、トリプシンの三つの触媒残基である57番目のヒスチジン、102番目のアスパラギン酸と195番目のセリンが基質の切断部位のリンの近くに来ている様子が観察されるはずである。Shiftキーを押しながら、左ボタンを押しながらマウスを動かすと分子モデルの拡大・縮小ができる。
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