RNase Aの構造をみる前に
RNase とは
RNAを特異的に(DNAは分解しない)分解するヌクレアーゼの総称。RNA鎖の末端から切断してモノヌクレオチドを生成するエキソヌクレアーゼと内部の3',5'-ホスホジエステル結合を切断するエンドヌクレアーゼに大別される。すべての生物が持っており、一つの細胞にも様々な特異性のRNaseが存在するが、これまでに分離同定されているものはほとんどエンドヌクレアーゼである。
RNase A
動物の膵臓由来のRNaseで、ピリミジン残基特異的に作用する。
これから見るRNaseAの立体構造は4つのヌクレオチドATAAを基質とした複合体である。次の手順に従って、構造を観察しよう。
- 構造ファイルをダウンロードする。
- Raswinを起動し構造ファイルを開く。(Fileメニューからopenを選択)
- デスクトップ画面の下辺にあるメニューバーからCommand Line windowをクリック。
- Command line windowに次のように入力していく。各行の最後にEnterキーを押す。各コマンドの入力により何が起こっているか分子モデルを観察すること。
>select amino
>wireframe off
>backbone 60
(数字の40は線の太さを示すので自分の好みで変えてよい。またbackbone 60の代わりに>cartoonでもよい。好みに応じて。)
>select 12, 41, 119
>color cyan
>wireframe 60
>dots 200 (数字はドットの数を表す、自分の好みで)
>dots off
(ドットがじゃまな人はこのコマンドで消しておく。)
>select dna
>wireframe 60 (あるいはspacefillでも)
この段階で、リゾチームの三つの触媒残基である12番目、119番目のヒスチジンと41番目のリジンが基質の切断部位のリンの近くに来ている様子が観察されるはずである。Shiftキーを押しながら、左ボタンを押しながらマウスを動かすと分子モデルの拡大・縮小ができる。
酵素のページに戻る|目次に戻る