雪国での幻の樹木

>極寒の地域にのみ出現 ~成長する神秘的な樹~

樹氷 写真:樹氷 北海道網走市で撮影

そもそも樹氷とは何だろう。またどのように誕生するのだろう。

樹氷とは0℃以下の水滴が樹木に衝突し、凍結していくことで生まれる自然現象だ。「樹木の氷」と書かれていると雪国では簡単に見ることができそうだが、実際その姿を想像することは簡単なことではない。樹氷が誕生するまでの一例を簡単に説明していきたいと思う。「樹氷」は複数の厳しい自然条件が整っていないとなかなか発生しない。条件を挙げてみると「氷点下5℃以下に冷却された水蒸気や水滴」が「同じ方向からの風」、「風が樹木に衝突する」といったものである。限られた条件の中でしか生まれることはない為、とても珍しい自然現象なのだ。

枯れた樹木と樹氷 写真:枯れた樹木と樹氷

撮影した写真の樹氷の周りには、同じ樹種だけなく広葉樹から草花までもが見事な氷の衣をつけていた。周囲を見渡してみると針葉樹のほうが見事な樹氷が完成していたように感じた。樹氷が成り立つ条件から考えるに針葉樹のほうが、氷点下に冷却された水滴が枝葉に入りやすく着氷しやすいのであろう。

写真を撮った朝は猛吹雪明けでとても寒く、樹氷はマイナス15℃の中で維持され3日間ほど見ることができた。

〈参考文献〉
札幌市青少年科学館サイト https://www.ssc.slp.or.jp/faq/science-qa-box/qabox-weather/703.html


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