分子を見る目:MHCとT細胞受容体を例に
MHCとは
MHC (Major Histocompatibility Complex: 主要組織適合遺伝子複合体)は、臓器移植における拒絶反応にみられるような、自己非自己を見分ける組織適合性をつかさどる主要な遺伝子のことである。MHCには二つのクラスがあり、class IのMHCは体中すべての細胞に発現しているのに対し、class IIのMHCはマクロファージやB細胞、樹状細胞などの限られた細胞にのみ発現している。
たとえば、Class I MHCは細胞内のプロテアーゼ(プロテアソーム)により作られた9アミノ酸からなるペプチドと複合体を作り、細胞の外側にそれを突き出すことにより、別の細胞(T細胞)により認識してもらうことが仕事である。T細胞側でMHCとペプチド複合体を見る目の役割を果たしているのはT
細胞受容体である。この目が自己・非自己を見分けている。
免疫の基礎の基礎
- class I MHCとペプチド複合体の構造ファイルをダウンロードする。Class I MHCとペプチドとT細胞受容体複合体の構造ファイルをダウンロードする。
ちらっと答えを見る。
- Raswinを起動しMHCとペプチド複合体の構造ファイル(1A9E(Mhc+pep).pdb)を開く。(Fileメニューからopenを選択)
- デスクトップ画面の下辺にあるメニューバーからCommand Line windowをクリック。
>select amino
>wireframe off
>backbone 60
(backbone よりcartoonの方が見た目にわかりやすいかもしれない)
>color chain
(Class I MHCは2本の鎖から構成されている。ペプチドがちょうど手のひらの上に乗るようにMHC分子と複合体を作っている。)
次にMHCとペプチドとT細胞受容体複合体の構造ファイル(1BD2(Mhc+Tcr).pdb)をひらく。
>select amino
>wireframe off
>backbone 40 (あるいはcartoonでも)
>color structure
<問題> T細胞受容体のMHC認識部分のドメインの構造は何かに似ていないだろうか。
Shiftキーを押しながら、左ボタンを押しながらマウスを動かすと分子モデルの拡大・縮小ができる。
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