分子を見る目:MHCとT細胞受容体を例に

MHCとは

MHC (Major Histocompatibility Complex: 主要組織適合遺伝子複合体)は、臓器移植における拒絶反応にみられるような、自己非自己を見分ける組織適合性をつかさどる主要な遺伝子のことである。MHCには二つのクラスがあり、class IのMHCは体中すべての細胞に発現しているのに対し、class IIのMHCはマクロファージやB細胞、樹状細胞などの限られた細胞にのみ発現している。

たとえば、Class I MHCは細胞内のプロテアーゼ(プロテアソーム)により作られた9アミノ酸からなるペプチドと複合体を作り、細胞の外側にそれを突き出すことにより、別の細胞(T細胞)により認識してもらうことが仕事である。T細胞側でMHCとペプチド複合体を見る目の役割を果たしているのはT 細胞受容体である。この目が自己・非自己を見分けている。
免疫の基礎の基礎

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